2013年03月31日

慕情

1950年代の香港でロケした映画ということで、一度見てみたかった作品。
レンタルビデオで見ました。

冒頭クレジットロールの、空撮映像がまず眼をひく。
おそらく、香港島西側から中環あたりにむかって海外線に沿ってすすんだ映像だと思う。最初の方で、大小の島が見えるが、それは、西営盤よりさらに西のあたりの沖にある青洲とその横の小さい島だと思われる。
海岸沿いにはけっこう建物がびっちりつまっている。市街地に近づくと、唐楼がぎっちり並ぶメイン通りがみえて、それがおそらく、干諾道中か徳輔道中。

空撮のあとは、東華醫院の救急車が唐楼の間の道を走っていくのを追う映像になる。これは、たぶん徳輔道中を東から西に進んでいて、途中右側に、中環街市らしき四角っぽい建物もみえる。
そのすぐ先左側に、永隆銀行と、「華豐燒臘」という字が柱に書いてあるのが見え、それは今もある華豐燒臘有限公司では(場所は違うようだ)。

救急車が到着し、主人公の勤務先兼住まいである東華医院ということになっている建物は、赤煉瓦づくりで、とてもりっぱで眺めもよいのだけど、これは今はもうなくなっているらしい。残念。
英文ウィキペディア情報によれば、干徳道41Aにあった外人記者クラブの建物で、今は、聯邦花園というアパート群があるところらしい。ここからはヴィクトリア湾がよく見えるのだが、今はどうかなあ。

お食事には香港仔のジャンボへ。この食事中とか、ともだちに偶然会うレストランとか、窓の外の映像はロケだけど合成っぽい。ともだちと会うときの外の風景は、砵典乍街(石板街)かも。

ちょっとおもしろかったのは、マーク・エリオット(ウイリアム・ホールデン)がスーイン(ジェニファー・ジョーンズ)を「泳ぎにいこう」と誘うところ。彼女が「湾のむこうの友達を訪ねる予定がある」と言うと、じゃあ両方やりましょう、と。
ふたりが出かける浜辺はほかにだーれもいないし、海の家的施設も全くなく、ただ、海と浜と空があるだけ。こういうところで泳ぎたいね。岩の影で着替えて、しばらく談笑の後、すぐ向こうにみえる島?にある友達の別荘まで、泳いで!渡るのです。そして水着姿で友達宅を訪問!帰りは船で送ってもらう。これはすごーくたのしそうだった。気軽アウトドア。
「湾」がどこかは、英語セリフでも言ってなくて、しかしやっぱりレパルス・ベイ?でも、レパルス・ベイから軽く泳いでいけるような島といえば、熨波洲というのがあるけど、そこと近い場所は、ビーチからは少しはずれていて、今は汚水処理所があるようなところなので、レパルスベイではない、あるいは、「向こうに島?がある浜辺」だけ別の場所、あるいはなにか合成、なのかも。

その後しばらくして、スーインが、中国の故郷に戻る。中国のシーンは外が全然映らないから、セットでしょうね。そのときは飛行機で行くのだが、飛行場は啓徳。なんどか飛行場は映り、スーインの後ろに、獅子山みたいな山が映っているカットもある。ひとつ驚いたのは、飛行機が自由席であるらしいこと。もちろん定員は決まってるのだろうが、「ここ空いてるかしら?」といって座っていた。
空港到着後、フェリーで香港島へいくシーンも別にあり、ちゃんとカーフェリーになっていた。

澳門のシーンもある。澳門の船着場はほんとに澳門かなあ。ホテルはMacau Gran Hotel中央大酒店、となっていたが・・。ホテルの部屋で、外をゆく葬式行列を見るシーンがあり、通り沿いには赤い建物がある。紅街市?
澳門は本人たちが歩くシーンも一瞬あるけどちょっと手掛かりがない。

香港の街中も、主人公カップルが歩くシーンは(ジャンボに行くのは別として)ないが、最後、ショックをうけたスーインが、徳輔道中(干諾道中からでなく)を東から西に走り、砵典乍街を左に曲がる(坂を上がる)というロケ映像がある。曲がる角にはお米屋さんがあった。

(あと、最後の方で、嵐があって山の斜面みたいなところにある貧しい人たちの家がめちゃめちゃになる、ていうのもこれだっけ?Shep kit Mei?とか思ったが、ほかの映画だったかしら?←後日急に思い出して追記)

・・と、ロケ地のことのみ書いてきたが、お話の内容についても、一応。
未亡人でEurasian(字幕では「ハーフ」)の女性が、中国とヨーロッパの価値の間を行き来しつつ、海外特派員のアメリカ人(既婚)と恋をする。愛の素晴らしさを知ったものの・・という、まあ、ふつうの恋愛もの。
「ハーフ」設定のジェニファー・ジョーンズが、髪が黒い以外全然アジアの血を感じさせないので、いわれるまでそうとわからなかった。設定は1949年で、中国本土からは日に3000人もの難民がやってくる、という時代。共産党びいきの中国人医師同僚や、香港は人件費が安いので使用人をいっぱいやとえてうれしい、という金持ちマダムなどが出てくる。
美しい未亡人、美しくエキゾチックな景色、悲恋・・という絵に描いたような話。チャイナドレスは、西洋人が着ても美しいですね。

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原題 Love is a many splendored thing
監督 ヘンリー・キング
出演 ウイリアム・ホールデン ジェニファー・ジョーンズ
1955年 アメリカ20世紀フォックス

posted by ゆずきり at 13:37| Comment(0) | TrackBack(0) | @home | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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