2006年08月08日

網走番外地 南国の対決

監督 石井輝男
出演 高倉健 吉田輝雄 大原麗子 谷隼人 三原葉子 嵐寛寿郎
1966年東映

 

夏休み特集第2弾。いやなに、単に沖縄が舞台というだけなんですけどね。

★内容にけっこう触れています。
★それから、カテゴリー「記憶のかなたの映画」はキャスト出演者製作年以外は記憶で書いてますので、実際と違う面もあるかもしれません。



まずこの題名がいいです。「網走」なのに「南国」。
「網走番外地」っていうのが、シリーズ主役の健さんそのものってことですね。
一番最初の「網走番外地」は、文字通り、網走監獄でのできごとを描いたもので、その作品が人気を得たので、その後は健さんが「許せねえ」相手と対決するシリーズものとなりました、ってことのようです。

この映画は、沖縄が日本に返還される前に撮影されています。
したがって、健さん演じる橘真一(網走帰り)も、パスポートを持って沖縄へでかけます。用事は・・・忘れました。
で、とにかく、沖縄へ行くのに船でいきます。
健さん一派を妨害する別の一派(というのは当然やくざですが)がいて、船旅の時点ですでに、やとわれの殺し屋・南が同船しています。
この船上での南と橘の対決をみて、アランドロン主演の『太陽がいっぱい』を思い出すのは、まあきっと私だけだと思いますが、思い出しちゃいました。
でも『太陽がいっぱい』と違って、この時点では誰も死なず、どちらも海におっこちてふたりで泳ぎ、とりあえずはいったん休戦となります(というか、この時点ですでに南は健さんに対して好意をもち殺し屋の仕事を遂行する気が失せてたんだと思う。ありがちな展開)。
健さんはもちろん軽装ですが、南の吉田輝雄はスーツ姿で泳いでます。そして、暑い沖縄ロケを通して、一人だけずっとスーツ姿の吉田輝雄。もちろん暑いなあって顔して映ってますが、この人自身はぜんぜん暑苦しくない人で、せりふがなければ、「あれ、なんでここに紳士服のモデルさんがいるの?」って感じです。さすが元モデル、元ハンサムタワー。
(モデルは菅原文太の間違いでした、失礼)

自分もやくざなんだけど曲がったことはできない健さんがスカッと活躍するところを見せるのがこのシリーズの眼目なので、多少てごわい相手が出てきつつも、最後はもちろん健さんの勝ち。途中、常連的キャラクターがからんでくる、といういつもどおりのお話になっています。
常連の中のひとりの鬼虎親分(嵐寛寿郎)なんて、なんの脈絡もなく沖縄にいて、健さんたちが敵一派との戦い(ケンカですね、まあ)を浜辺でしてると、たしかターザンみたいに木から吊った綱にぶらさがって助太刀にくるんじゃなかったかな。ターザンというより浦島太郎みたいないでたちで。

大原麗子も、シリーズ中何作かに出てきます。この映画では、「港のナツコっていえば、ここでは知られた顔よ。」みたいな、つまり地元のチンピラ娘ですね。とてもかわいいのですが、声があのちょっと低めの声でしゃべり方も今の通りで、上記のようなせりふをいうのがちょっとおかしいです。

三原葉子さんは、たしか、昔捨てた子をさがしているとかなんとか、そういう母物系統の役だったと思いますが、口紅がばかに白っぽかったのをおぼえてます。息子と再会する場面も、屋外だから、ほんとに暑そうで。かげろう立ってたような。

沖縄は、やっぱり日ざしが本州とは違うので、それだけで独特の雰囲気ですね。たけしの『ソナチネ』も、沖縄で撮影したことが作品としての成功にかなり寄与しているのでは。
で、ほんとに短いですが、健さんが地元のおまつりにちょっと参加する場面があってそこがすき。沖縄の三味線を、りんけんバンドの照屋林賢のおとうさんの照屋林助さんが弾いていて。

健さんは、網走番外地シリーズのころには、まだちょっと、いい意味での軽味があって、そこが魅力なんですよね。こういうお祭りで踊ったりするのも似合ってて。パスポートをなくしたときには適当英語でごまかしたり。
もちろん、決めるところは決めて(敵とのケンカ時)、とにかく痛快、て感じです。後年の「八甲田山」とかああいうんじゃあ全然ないんです。

そんなイキのいい健さんをみられる網走番外地シリーズは、全部、石井輝男監督が撮っています。香港映画でいえば王晶監督みたいなテンポのよい楽しい映画が得意な監督だったと思います。たしか去年、亡くなりました。
『南国の対決』は、シリーズ最高傑作、ではないけど、舞台がいつもと違うのでちょっと異色、て感じかな。
でももう40年も前の作品だったとは・・・あ、私が最初に見たのは無論、リアルタイムではないのは言うまでもありません。
posted by ゆずきり at 23:36| Comment(0) | TrackBack(1) | 記憶のかなたの映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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