監督 張徹
出演 狄龍(ティ・ロン) 陳観泰(チェン・クアンタイ) 姜大衛(デヴィッド・チャン) 井莉(チン・リー)
1973年香港ショウブラザーズ
馬新貽(ティ・ロン)、黄縦(チェン・クアンタイ)、張[シ文]祥(デヴィッド・チャン)、という義兄弟の物語。ショウブラ張徹映画の看板スターが出演し、私の好きなタイプの「スター映画」。
今回珍しく(なのかな?)ティ・ロンはいわば悪役で、野心に燃えるあまり義兄弟を裏切っていく。さらに、義弟妻(チン・リーさん)との恋もからみ、ちょっとドロドロしています。
男としてすぐれている(大志を抱いているから?)のかもしれないが結果的に兄弟を裏切ることになる、悪の光をもはなつティ・ロン、素朴で単純なチェン・クアンタイ、賢くて義を通すデヴィッド・チャンと、三人三様にそれぞれの役割が明確でわかりやすい。
特にチェン・クアンタイは、女の気持ちが全然わからない素朴な男の役が似合いすぎていてちょっとかわいそうになるくらいでした。多少エラくなっても、いつも上半身ハダカでさ・・。
それにひきかえ、いついかなるときも絶対脱がないデヴィッド・チャンですが、今回、最後に【生きたまま心臓をえぐられる】という処刑方法のため、一応肩脱ぎくらいはしてましたがそれも遠景で、やっぱり脱いでないに等しい(←だから何!)。
しかし彼には彼の役目がありますから。ラブラブだった頃のチン・リーさんとチェン・クアンタイにちょっかいを出す様とか可愛かったし、童顔ながら、しっかりしてて侮れない存在感があり、ほんとにこの人の堂々ぶりには感心します。昔話でよく出てくる、一番賢い末っ子ってパターンそのものの「弟」でした。
ティ・ロンとチン・リーさんの恋には全然ノレなかったなー。
チン・リーさんは、実年齢よりも年上に見える気がするんですよね。
あと、男中心の張徹世界のキャラクターでしかないから、男にどうよろめくかしか描かれていないし。しかしその態度バレバレですよ奥さん!
ちなみに、チェン・クアンタイが、久しぶりに会ったチン・リーさんを文字通り振り回す(うれしくて、ですが)場面では、『嵐を呼ぶドラゴン』で、弟弟子のフーシェンを振り回す場面を思い出さずにはいられませんでした。
ティ・ロンにはかなりいろいろな見せ場あり。チン・リーさんとの山奥の川での文字通りの「濡れ」場、山賊供にカンフーを教える様(超かっこいい!)、チン・リーさんとの思い出にふけり山奥の川の絵をかくところ、あと、「コネがあるから(役人としての昇進)試験にはきっとうかる」と言い切るとか!
あともちろん、vsチェン・クアンタイ、vsデヴィッド・チャンの戦いも見せ場ですね。
しかしとにかく、今回は、字幕では「彼の魔性が」と表現されてような、「悪」で複雑なティ・ロンが見られておもしろかった。
アクション関係もいつもどおりバラエティに富んでいておもしろい。
「試合」じゃないアクションになってるところがいつもすばらしい。
しかし今回、やられた人がやたらゴロゴロ地面をころがりすぎなのが気になりました。どの場面でだったか、あきらかにわざとでんぐりがえってる人とかいましたし。
最終的なエンディングは、デヴィッド・チャンが命を懸けて告発したことが全く生かされていない結末で、そういうむなしい結末が、余韻もなくあっさり終わるところがまたなんとも・・。
「刺馬」ってどういう意味だろうと思っていましたが、お馬さんとは全然関係ない、文字通りの意味だったんですね。
そしてこのリメイクが『投名伏』だったわけですが、私は、おおぜいの軍隊がでてくる戦争ものより、タイマン勝負、肉体勝負の方がおもしろいと思うのでこっちの方が好きかな。
それに、チャン・チェ&ニー・クワン組の脚本は、歌舞伎のようにこなれたわかりやすさと見せ場の派手さがあって楽しめます。スターも映えるしね。
というわけで、ああこんどこそ『報仇』を見なければ、デヴィッドちゃん!
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