脚本 倪匡 & 張徹
アクション監督 劉家良 & 唐佳
出演 傅聲(アレクサンダー・フーシェン)盧迪 江島 馮克安(フォン・ハックオン)
1974年には傅聲出演作は6本も公開されています。
『嵐を呼ぶドラゴン』とか。そのうちの1本、完全主役作。
ジャケットのフーシェン君のいでたちをみて、インドとか東南アジアの王子様の話かと思ったら、中国の話だった。ナーチャ(ナジャ)は「西遊記」にも出てくる子どもの神様だそうで、中華圏では有名なキャラクターのようですね。
3000年前に生まれたそうです。
タイトルバック、いきなり、足に火の車輪をつけたナーチャが上から降りてきて、子供向けヒーロー番組みたいな勇ましい音楽が。
うわー。
ナーチャはいつも、金属の輪を持っていてそれが武器となるらしい。はじめはひとりで、そのわっかをまわしたりして、そのうち、敵と戦う姿が、いつものカンフーデモンストレーションのかわりに展開される。
そして最後、キリっとした横顔が映ったあと、ナーチャの槍の穂先から火が・・。
ナーチャは元は、なんとか関を守る高位の役人の子供。
はじめ、世間知らずだった彼が、世の中のしくみを知り、正義にめざめ、民衆の味方をして自分を犠牲にし、よみがえり、というファンタジックな話。
前半の、いたずらっ子で天心爛漫なナーチャのキャラクターは、まさにフーシェンにぴったり。
しかし、龍神の怒りを鎮め人々の命を救うため、自分の身を犠牲にするシーンは、張徹らしい流血場面。
龍神が怒るのはある意味尤もで、ナーチャが(弱きを助け強きをくじいた結果ではあるが)龍神の家来および第三王子(これがフォン・ハクオン!)を殺したからなんですね。だから自分の身をささげる。でもそんなナーチャはまだ子ども。
ナーチャの最大の敵は、お父さんであるようです。
いたずらっこだったとき、常に怒られているのはまだしも、ナーチャが死んで復活する前に、ナーチャに感謝した民衆がナーチャ像をつくって祀るんだけど、その像をけとばすんですよ、お父さんは。ひどいです。
で、お父さんは人間なのかと思ったら、ナーチャや仙人(?)と共に天に上がって、「1000年、2000年、と、リー・タイ(お父さん)と息子の戦いはいつ果てるとも知れず続いていく・・」とかいって、いつまでも戦い続けているようなのです。
「父にうけいれられない、正義にめざめた息子」というのは、なんだかかわいそうなキャラクターのような気がします。
そんなナーチャは、永遠に子ども。
傅聲好き的には、出番たくさん、みどころたくさんで楽しいです。
わっかや槍を使ったアクションもがんばってるし、無邪気で無知なあまりうっかり悪い方の手助けをしちゃってあとで後悔するところとか、『嵐を呼ぶドラゴン』みたいです。
いつもあのわっかを首にかけて、すそとそでがひらひらした赤い服をきて出かけるのが、いかにも子どもの神様でお似合い。
お話がファンタジックなので、素朴な特撮もあって、ほほえましい。
龍神のすみかの場面では、空の部分に色とりどりのお魚が泳ぐ様を合成してたり。
ナーチャの正義へのめざめを評価する、仙人だか神様だかが、碁を打ちながらナーチャを守ろうとする様とかもおもしろかった。
で、この、良い仙人だか神様だか以外は、ナーチャには力強い味方はいない。今回は、「お兄さん」はいませんでした。
脇役で、エリック・ツァンの息子デレク・ツァンにそっくりな人が出ていましたが、それは当然、エリック・ツァンの若き日の姿かと思われます。フーシェンともやりとりがある役で、その組み合わせが意外でした。香港映画の過去と現在がつながっている・・。(あたりまえだけど)
張徹映画は、ねらいが明確でおもしろい。映画は娯楽だ、という基本もおさえられているし、スターと優秀な動作監督もかかえているし。
単細胞な私好みといえましょう。
さらに作品を見ていきたいと思います。
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