監督 張徹(チャン・チェ)
出演 傅聲(アレクサンダー・フーシェン) 狄龍(ティ・ロン) 姜大衛(デヴィッド・チャン) 戚冠軍(チー・クワンチュン) 李藝民(リー・イーミン) 唐炎燦(ビリー・タン) 趙岡生(というのは江生のことですね。ペロッ舌を出す小坊主役) 郭追(フィリップ・コク) 鹿峯(ルー・フェン) 王青
1976年香港ショウブラザーズ

左からフーシェン、ティ・ロン、リー・イーミン、チー・クワンチュン
どんどんショウブラいきます、傅聲出演作中心に。
お話:
少林寺に弟子入り希望の若者たちや、台湾からやってきた明朝の流れを汲む(ってことだと思うけど)武士たちが、厳しい修行に耐え、腕をあげていく。そんな少林寺の存在が疎ましい清朝側は、スパイを使いつつ、少林寺つぶしをねらい、ついには兵をあげて襲う。少林寺弟子達の死闘にもかかわらず、寺は火を放たれる。
フーシェンはもちろん方世玉(ファン・シーユイ)、チー・クワンチュンも胡恵乾役で『続・嵐を呼ぶドラゴン』と全く同じ。洪煕官役が陳観泰(チェン・クアンタイ)でないのが残念。オールスター映画なのになぜ彼は出てないんだろう?
前半の修行中部分は、フーシェンはじめ若者弟子たち中心に、どっちかというと明るくユーモラスな感じ。
これがよかったですよ。
深刻ぶらないところが。
入門するのにまず何日も門前ですわりこみ、寺に入ってからも飯炊き番とか本の虫干しとか、直接武芸と関係ないじゃないか、とおもわれることをさんざんさせられるのだけど、そういうのももちろん、修行の一部。いつか役立つときがくる。
いつも堅物なチー・クアンチュン兄貴はまじめ一本槍なので、フーシェンが台所の火の番しかしてない段階で、すでに、虎拳鶴拳蛇拳龍拳あともうひとつ忘れた拳、を習得してたりします。でもフーシェン、寝坊して遅刻したりしてるから。それを指摘されると「二度としません!」だって。小学生みたい。
フーシェンがそんな調子なのはいつもの通りですが、ビリー・タン、リー・イーミン(わりとアイドル顔)、フィリップ・コク(五毒のヤモリ拳)たちも、やっぱりこどもっぽく明るく可愛い。フィリップ・コクがついに軽功をものにして絶技を見せるときの効果音なんかも、マンガかコメディ映画みたい、それも、ドラえもんとかの子供むけの。
もちろん、ティ・ロンご一行の大人の男たちは、普通に落ち着いて修行してらっしゃいます。
この大人武士集団にもちょっかいを出すフーシェン。男たちの中に、当然のようにあとから裏切ることになる王龍威(いつも悪役ワン・ロンウエイ)がいて、無謀にも彼に挑戦し、少なくとも最初は、コテンパンにやられます。
ロンウエイが遠慮会釈なくフーシェンをやっつけてると、ティ・ロンが諌めるんですよね。「それくらいにしとけ。今は勝っても、いつかおいこされるときがくるぞ」と。素敵〜。
フーシェンには、いつもなんとなくお兄さん役がついてるのですが(今まで見た範囲では)、今回なんと、チー・クワンチュンだけでなく、ティ・ロンとデヴィッド・チャンまでお兄さん役。なんてゴーカな。
ふたりは、ある人物にたのまれて、やがてフーシェンが窮地におちいるはずだからそのときに助けてやってくれ、と言われるのです。
その通りに、のちのフーシェンのピンチに、手を出しすぎずに見守り助けてやるティ・ロンとデヴィッド・チャン。なんてステキ。
そのように、たのしく(?)修行が続くうちにも、裏切り者のおかげで少しずつ少林寺の悲劇が近づいていく。
で、最終的に、かなり長い時間をさいて、寺を舞台に死闘がくりひろげられる。
いろんな組み合わせの戦いがあちこちで同時進行していて、その戦いを少しずつかわりばんこに見せるだけなんだけどこれが結構おもしろい。
フラッシュバックで修行時代のヒトコマが映しだされ、あれをいかしてこう戦う!というのを超わかりやすく見せてくれるんだけど、これ、張徹監督の作品ではよくやりますね。
あの前半の若者たちの努力がこんな生死をかけた戦いに生かされるんだ、となんだかカンドウしてしまう私。
しかし最終的には健闘むなしく多くの若者が死んでいく・・・前半の明るい展開がありながらこうだっていうのが、これまた張徹っぽい・・のかも。
ティ・ロンとデヴィッド・チャンの戦いはちょっと別格扱いかしら。
ティ・ロンが戦う姿はほんとにかっこいい!力強いけどすっきりしてるし、とにかく、決して引かない感じがして圧倒的。それでいてステキな笑顔だし。(うっとり)
デヴィッド・チャンは、背も低いのに、こちらも堂々としていて、態度がスター然としてますね。あのう、この人やっぱり、ジェイに似てると思うんですけど・・あとプラス、若い頃の田村正和。『冷血十三鷹』でティ・ロンが使ってたのと同じ武器(でも気のせいかあれより棒が短い気が)をつかって鮮やかに戦う様は、日本の時代劇の武士のよう。
まあ私もダラダラ書きましたが、映画も結構ダラダラしています。というかとにかくたくさん詰め込まれています。
前半修行→木人巷の部分でちょっと目先を変える→最後の死闘、というふうな構成にはなっていますが、まさに列伝で、大勢の人のエピソードの連続。
でもこれは、それこそ忠臣蔵のように、有名な人物たちの物語のたくさんあるバージョンのひとつで、かつ、オールスター映画、ということなんでしょうね。
悪役をやる役者も、もうきまりきっていて、いつも絶対悪役。ワンロンウエイとか王青とか。
にしても、方世玉のフーシェンはやっぱり特別扱いな気がするし、扱いがどうであろうと、ティ・ロンの光り方も、出番の多寡にかかわらず、特別だったと思います。
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