2018年11月28日

グッバイ クリストファー・ロビン

少し前にディズニーの『クリストファー・ロビンと大人になった僕』をロードショーでみた。ユアン・マグレガーがクリストファー・ロビンの役だから見たし、まあ、ディズニーと思ってみたのでディズニーな作品だった。
こちらは、一般公開なしソフトスルー。イギリス映画。クリストファー・ロビン・ミルンが生まれる前から始まる内容で、なぜ「グッバイ」なのかを考えるとなかなか重い内容ではあります。

クリストファー・ロビンの「ために」書かれた『クマのプーさん』は世界的に大ヒットとなり、そのため、描かれた子どものクリストファー・ロビン自身は、この本についてはつらい思い出をもっている、というのは以前に『クマのプーさんと魔法の森』(今は品切)を読んでいたので知っていた。
本の作者で父親のA.A.ミルンがこの本を書くようになったいきさつも描くこの映画、『クマのプーさん』を本から知った人には必見だしいろいろ感じるところがあるでしょう。

出産時の痛みがトラウマになっているらしいお母さんの描き方とかなかなか興味深く、かつ、実際はどうだったのだろうなというか、ちょっと気になった。

さらにネタバレ(といっても実在の人物なので検索すれば出るかも)ですが、

父のミルンは、第一次第二次両方の戦争を経験した世代。かつ、第一次のときに戦場へ兵士として赴き、戦後は、PTSDに悩まされていたようだ。当時はそんな言葉知られていなかっただろうし、戦争はみんな経験して、かつ、ひとりの人が生きているうちにまた大きな戦争が起きるような世の中だったから、みな一人でキズをかかえて生きていたんだな、つらかったろうな、と思う。同じような経験をした、仕事仲間のアーネスト・シェパードが出てくるのは、救いであり本のファンにはうれしかった。
クリストファー・ロビンを演じる男の子が、ほっぺたがアンパンマンみたいにぷくぷくで、えくぼが深くてメチャ可愛い。彼の様子を見ているのはとても楽しく、そういう幸せ感ももちろんあります。
ロケーションも、さすがにちゃんとサセックスでしています。

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2018年11月20日

花札渡世

シネマヴェーラにて。

成澤昌茂脚本、の映画はたくさんあるが、監督もしているのは少ないそうだ。その1本。モノクロ。

主演梅宮辰夫だから、おそらく、二本立てならサブだったろうな。でも、ほかの東映の任侠ものとちがったカラーがあってとても素晴らしかった。DVD出たら買う。

辰兄は親分が遠藤辰夫の組で代貸レベルだが、親分のやり方に必ずしも賛同しているわけではない。任侠道はつらい。でもそれを守ろうとしている。そんなところで、賭場に、ろうたけて美しい女(鰐淵晴子)と伴淳の「夫婦」があらわれて、・・・という、これ、もしや、アキラの『関東無宿』と同じ原作かなんか?と思った。それか、そういう「夫婦」が昔の賭場にいたのか。
最終的に、女は自分のしたいと思っていたことをかなえ、辰兄は、そのために花と散る、と言えれば言えるのだけど、華々しさはなく、苦い味とかつ哀愁が残るところが絶品だった。やはりもういちど見にいくべきか・・。
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2018年10月31日

2018年10月に映画館で見た映画

10月はTIFFと香港行きで、何本かみました。


・あまねき旋律(音楽映画でもあり、農業映画でもあった)

【香港で】
・黄金兄弟
・非同凡響(袁富華さん=『トレイシー』のダーリン兄、の隣でみました。主演のジェニファー・ユーチャンが、役柄の恰好=高校生制服、で来てくれました)
・毛侠
・起底組(優先場にて。監督、助演女優と助演男優。助演女優は『三人の夫』の最後の方に出てきた子)
・無雙(「プロジェクト・グーテンベルグ」の題名で、東京国際映画祭でも上映。映画祭はスケジュール合わなかったので)
・逆流大叔(ロングランなので間に合った。ジャンユーさーん!)

香港では、香港映画をあと2本、上映していた(けどそこまで時間なかった)。『古宅』(アテナ・チュウ主演のホラー)と『女皇撞到正』(クリッシー・チャウとルイス・チョン)てのがありました。
飛行機の中で、少し前に上映が終わっていた『告別之前』をみることができて、これがとてもよかったなあ。
ほかに機内でみたのは『MOM』、シュリディヴィ様が娘におきたある事件のため復讐の鬼と化す、そして協力するナワちゃん、というキャスト的に私にはうれしい映画をみました。二人をみたので満足。
今回の旅行、香港映画に関してはかなり満足感ありました。


月末は東京国際映画祭。

・十年(タイ)
・トレイシー x2回 (フィリップ・キョンフィーバー!)
・三人の夫 (もいちどみたかった)
・世界はリズムで満ちている
・音楽とともに生きて

「音楽とともに生きて」はカンボジアの失われた音楽の話なのですが、セットで「カンボジアの失われたロックンロール」(出演しているミュージシャン全員、生きていないという)も見たかった。あと、ピート・テオ特集を見損なったのはやはり残念だったけど、トレイシーおかわりしたのでしかたありません(重なってないけど平日二回休めなかった)。

この月は、映画と関係ないけど、初めて《生きた建築ミュージアムフェスティバル》に参加できて、香港にも行き、京都にも行き、遊びすぎにもほどがある感じで充実しておりました。



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2018年10月13日

あまねき旋律

公式サイト

監督2人のインタビュー 

ナガランドと呼ばれる、インドアッサム州近く、ミャンマー国境近くの山にすむナガ族の労働歌を主題にしたアーティスティックなドキュメンタリー。mule(uは上に点々付き、ウムラウト?むれ、と読むらしい)というグループで労働するときに歌う歌。自然に掛け合いや合唱になっている。山の空気にとけこみ、労働を促す歌。

私の場合は、歌と同じくらいに労働の姿が印象に残った。簡単な道具以外、すべて手作業による仕事。棚田をつくるのも、苗を植えるのも、クワなどは使うけれども、自分の脚や手を使うのが中心。田をつくるときに、土をくずす人、それをふみかためる?人、と分業して動き、数分の歌の間にみるみるうちに一枚の棚田ができていくところや、収穫の時期に、比較的若い男女のグループが、稲を重ねた山を囲んで輪になり、歌いながら脚で蹴る(ことにより脱穀しているんだと思うのですが)ところ、圧倒的だった。

歌うことと仕事することは同時に存在している。ときどき、数人ずつのインタビューがはさまる。その中で、ひとりで作業してたからあまり歌わなかった、という人もいた。

この村にはとてもりっぱなバプテスト教会があり、みんなそこの信者。聖歌(英語のようだった)を歌うときにも、合唱隊のレベルは高い。アカペラで十分聞かせる。

基本的にこのナガ族は、東アジアっぽい顔立ちで、「ひろいちゅうごくのどこか」といわれても納得してしまいそう。男の人たちは、労働しながら暑くなるとTシャツ(アルファベットが入っているものが多い)のすそをまくっておなかを出したりしてて、それ香港で見た、な風景。
しかし、一応今は、かれらの所属はインドということになっている。
ナガ族の人々の歴史の最近の重大事は、キリスト教の到来と、インドとの独立をめぐる戦争なのだそうだ。

歌は最終的にバーフバリのサウンドミキサーがミックスしたとのこと。そういうふうにしないとなんだかわからない感じになるのだろうな。サウンドミキサーの仕事ぶりは、↑に貼ったインタビューで読めるがさすがの仕事ぶり。映画の中できこえる音は、現場で聞こえているのとは同じではない、と監督たちがいっていた。それはきっとむずかしいんだろうな、再生するのは。そして、肉体労働しながらああいう声が出るっていうのが、自分だったらとてもできないと思うわけだが、実際はどんな感じなのだろうか。
でも、実際に聞くことはできなくても、映画できくことができてよかったと思う。

ナガの人々がいつまでこのライフスタイルを続けていられるかわからないけど、せめて「すこしずつ」の変化であってほしい。
ラベル:2017年
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2018年10月12日

バッド・ジーニアス 危険な天才たち

タイで大ヒットしたという学生試験ネタコメディ。なかなかおもしろかった。最初は校内で、やがて統一試験、国際基準の試験でまでカンニングを行う。でもこれが、有料で、というところが、なかなか興味深い。そこが大事なのだった。

主人公の、みんなにカンニングをさせる女の子、アジアらしい平たい顔だけど鼻は恰好よいしとにかくスラっと背が高く首も長く、彼女が眉をよせて必死でいろいろするところ、なんというか、親しみ込みの胸キュン。だけど彼女なりに真剣なのですね。だって、貧富の差という現実があり、彼女の秀才力をもってのしあがるしかないから。そしてそれが海外留学だっていうのが、なかなか大変ね。
最初はまじめに他人のカンニングを告発していた別の秀才君(母子家庭)の変化も、これもなかなか大変というか、つらいものがある。若い彼らなんだもの。ふたりが近づいていきそして離れていくという描き方が、また、シビアというか冷静でよかったです。彼女の最後の方のセリフ、I'm ready、たのもしい。
そしてそこで光る、タネさんことタネート・ワラークンヌクロのお父さん。愛情深くてすてき。
主人公の女の子、やっぱりモデル出身だったのね。彼女のかたくなさ、シビアな現実を背景にしてだけど、世間に対して頭をひいて上から目線なところ、でも芯まで腐ってはいないところ。たしかに主役女性としては新鮮なルックス。名前をおぼえるのが大変だけどとりあえず下に書いておく。
校長先生が、きれいな女性だったのも○(こんなことでいちいち、だけど、日本では考えられないため)。
タイの試験は、例外あるけど、ほとんど全部マークシート式だった。


監督 ナタウット・プーンピリヤ
出演 チュティモン・ジョンジャルーンスックジン チャ―ノン・サンティナトーンクン タネート・ワラークンヌクロ
ラベル:2017年
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2018年09月30日

ホンコン・フライド・ムービー

原題《雞同鴨講》。昔の映画をレンタルでさがしてみていく中での1本。
マイケル・ホイの映画。監督はクリフトン・コウだけど、脚本はコウとマイケル。主演ももちろんマイケル。許氏影業公司製作。
いろいろと細かく内容に触れています。
でもこれは、かつての黄金時代香港映画らしい佳作だと思うので書いておきたい。



ロケは大埔 https://goo.gl/maps/9FvTgeiQrYJ2 じゃないかと思われる。寶馬車行という看板がマイケルがやっている焼鴨店の向かいにみえる。その並びにライバルの丹尼’s(ダニーズ)というフライドチキン屋ができて、そちらにお客をとられてさてどうするか、という話。

マイケルの店(老許記。ちゃんとネオンも作ってある)、味は良いらしい。でも昔の香港の店だから衛生状態がちょっとその。この描写は笑うところでもあり、実際の当時の香港の店の様子を誇張して描いているのだろうな。衛生調査官を名乗る人も登場する。でも、とにかくおいしいらしい。最近働きにきた従業員の奥さんがやってきたときに、どうやって食べればおいしいかをマイケルが彼女に説明し、それを、ほかのお客さんもきいてマネするところ、おもしろいし、可愛らしい。ほんとうに鳥のモモ肉が大大大好きなんだなあというか、食べ物に関する香港人の熱意を感じる。ここらへん、大阪っぽい。おいしくない食べ物はありえないという。とにかく食べること自体が好きで、努力と情熱を傾けている、食べることは生きること、なのだなあと思う。

衛生調査官が来たときの決定的証拠に対するマイケルの行動とか(良い子はまねしちゃいけません)、とにかく、なんとしてでもどうにかする!これも香港人精神なのかな。最終的に、ダニーズに対抗するため、絶対に頼らなかった人に結局は頼るけど、それは最後の最後なのね。生き残るためには腹を括って。
そういう精神を背景に、基本コミカルな調子で進むけど、ギャグネタを次々繰り出す、というのとは違う。マイケル、とにかく口も体もよく動くので、息をするようにおもしろいことを言い体で表現する。その愉快空間の中に心情があり心意気があるの。

体が動くといえば、マイケルはテレビとかでやってる体操とかヨガとかのネタが好きね。Mr.Boo!の最初の方の作品で、お料理番組と体操番組を掛け合わせたネタやってたの最高におかしかったけど、それ、マイケルが好きなネタを掛け合わせてるからだね。「ミスター・ココナッツ」でも体操ネタがあったと思う。

マイケルには妻と子供(中学生くらいの男の子)があり、妻はシルヴィア・チャンで、めっちゃ可愛い。広東語は吹き替えなのか自分でなのかちょっとわからなかったけどとても流暢。リッキーが従業員、サムは向かいの店のオープニングをかざる人気歌手の役でちょい出演。
ダニーズ若社長の手下が谷峰。マニュアル化された接客方法を従業員にたたき込む場面で必勝日の丸ハチマキしてた。

あと、昔の映画を今みてるのでしかたないけど、インド人関連と同性愛関連は、昔なのでそこは心してみてください。(許せというのではないけど)。外国に対する意識としては、上記のスパルタチックなのが日本、ダニーはアメリカ式調理法なのが自慢、インド人は香りが。。(これは字幕でそうなってたけど原語で何言ってたかはわからない。)とかね。ダニーのところの開店祝いは、チアガールも出てたな。そしてそれを見たがる男性従業員たち、みたいな。
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2018年09月24日

ロバート・アルドリッチ特集

ぴあフィルムフェスティ バルの一環として、特集上映。ぴあとしての上映は、国立フィルムアーカイブで行われましたが、シネマヴェーラでも5本上映し、私自身は、都合3本見ました。

キッスで殺せ Kiss Me Deadly (1955年) *国立フィルムアーカイブスにて。上映後、黒沢清監督の講義付き(トークというより講義)。
ふるえて眠れ Hush, Hush Sweet Charlotte (1964年)
悪徳 The Big Knife (1955年)
3本ともモノクロ。

アルドリッチといえば、「ふるえて眠れ」(昔テレビがあった時代にビデオテープで録画した)と「カリフォルニア・ドールズ」しかたぶん見たことがなく、しかし、その2本だけで、ある程度、要マークな監督です、自分にとっては。2本とも、たまたまかもだけど女性が良かったし。

「キッスで殺せ」はなにかトンデモらしい、とはきいていましたが、このネタは、今でも、使われているネタですよね。「オペレーション・レッド・シー」ですら!昔「性本能と×××(ネタバレよけ)」というのも12チャンネルでよくテレビ放映されていて(吹き替えだし、カットされてたかも)、それを思い出した。オープンニングシーンがサスペンスフルだし、タイトルロールが下から出てくるのもインパクトあるし、最終的にもインパクトある終わり方でした。残念なのは、謎を追う探偵役の俳優さんが、いまひとつ印象薄い顔だったこと。最初に出てくる女性と、ラストの女性は両方、それなりに印象深い。というか、どこか異常な感じがあるという描き方をされている。探偵の事務所兼自宅は、いかにも少し昔っぽくすてき。

「ふるえて眠れ」これは上述した通りテレビで見たことはあった(それは多分カットされてない)けれど、ベティ・デイビスが、それはそれは素晴らしかった(あのシーンでなど、ほんとうに、光がさしているようにみえた)のでぜひ映画館で見たいと思っていたのでした。見られて満足。133分もあるので、ちょっと長いけど、途中までは時代がかったホラーっぽくてそれはそれでおもしろい。ローラ・ダーンのパパ(ブルース・ダーン)ってば!!映画館で見てみるとベティ・デイビスがとてもしわしわなんだけど、あれはメイクもあるのだろうか・・。その顔が大写しになるのだけど恐れることなく、目いっぱい不気味な老女(いや、設定では50代くらいなんだけど)をやっている。その年で、時間が止まったように、若い娘が着ているような乙女チックなドレスを着ているし。そんな役だけど、あのシーンのためにベッテ・デイビス(淀川さんがどこかで言ってた。会ったときに「アイム・ベッテ・デイビス」と言ったと)なのね!この映画の彼女、ほんとうに、ほんとうに素晴らしいと思う。大好き。

「悪徳」せっかくの特集だから、もう1本くらいみようか時間もふるえて眠れのあとだし。と何にも考えずに前売り券を買いました。でも、アイダ・ルピノって可愛い名前の人を前から見たいと思っていたので、そこは一応理由がある。この映画が一番通俗的だったかな。でも「キッスで殺せ」より好き嫌いでいえば好き。やや落ち目というかマンネリなハリウッドスター、肉体派、もしかしたら元ボクサーだったりするのかも、なジャック・パランスが、モラルハザードのはげしいスタジオ持ちプロデューサーと、契約するしないで揉めたり悩んだりする話。奥さんのアイダ・ルピノを大事に思ってはいるが、来る者(女)にはつい構ってしまうのでそれによる問題も発生する。プロデューサーが気持ち悪いキャラクターでほんとうにモラハラ。アイダはきちんとした堅気タイプで、もう別れた方がいいわよね、と思っているが、ほんとうは夫を愛している。昔のハリウッドスターの生活というのもかいまみられておもしろかった。ラストは結構衝撃的というか悲しいのだけど。この映画を旧作日本映画キャストでリメイクするなら、夫が佐藤允、妻は池内淳子。青い目金髪のアイダ・ルピノ、ほんとに池内淳子に似ていた。淳子たんがやりそうな役でもあるし。マコちゃんは、クランクイン前に、よりしっかり筋肉つけてね。ふつうに現代にリメイクするなら、強圧的なプロデューサーをぜひレオ(ナルド・ディカプリオ)にやってもらいたい。

「キッスで殺せ」で探偵の友達でイタリア系?の車修理工を演じてた人が、「悪徳」ではジャックの個人トレーナー。「ふるえて眠れ」の保安官が「悪徳」のジャック夫婦の友達で文青な脚本家。
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2018年08月12日

台風騒動記

ラピュタ阿佐ヶ谷、独立プロ特集にて。
山本薩夫監督の山本プロと、佐田啓二らのプロダクションが製作で、松竹が配給。てことかな?松竹のマーク出ます。

佐田啓二といえば若くして亡くなった二枚目スター。彼の作品をいろいろ見たいとおもいつつ、松竹というのはなかなか自分の優先順序の上位に挙がってこないもので、もうひとつ全体像がつかめないでいます。でも二枚目スターですから、興味はあり。
少し前に、なんだったか悪役をやっているのを見たけど、んーどうだろ?と思ったり。

この映画はその佐田啓二が出演しているし、山本薩夫監督だからみてみました。山本監督といえば、最初に意識してみたのは雷蔵さんの「忍びの者」。あれが、あっぱれエンターテインメントとしておもしろかったので信用しております。

1956年作品で、海辺の町が舞台。ロケはたぶん千葉。台風のあとの混乱に乗じて、ごまかしをやることにより助成金を獲得しようとする町会議員たち。小学校の先生の菅原謙二、野添ひとみ、菅原の友人佐田啓二、元ミス○○町の芸者静奴こと桂木洋子、が、きれいどころで、ほかは、三島雅夫、渡辺篤(町長)、三井弘次、左卜全、加藤嘉、多々良純など芸達者な困ったおじさんだらけ。これが昔の話でコミカルにやってるからいいけど、それにしても、100%は笑えないのは、今でも同じだよね、半分以上。と思うからですね。まあそれでも、みなさんがいろいろと絵にかいたような俗物なのはおもしろかったけど。皮肉が強すぎないので、内容はひどくても愛嬌のようにも感じられるところがベテランの手腕ですね。あと、議員たちが宴会するところで、いろいろかくし芸をするわけですが、ああいうのはもうさすがに、現代の監督には撮れないでしょうねえなどと、どうでもいいポイントで。
ほかに、現代では撮れなさそうなところといえば、二部授業で帰るこどもたちを、時間が遅いからといって家まで送る道すがら、野添ひとみ(妙子先生)が夕焼けバックに歌を歌い、たまたま行き合わせた佐田啓二もでんでんむしの歌を歌い、そのまま、被災した町民が避難している軍隊の倉庫跡みたいな建物にいくところ。とても好き。あの倉庫跡の中にみんながごちゃごちゃいる感じもよかった。こどもたち、可愛い。
野添ひとみもほんとうに可愛く(いつもニットのアンサンブル)、弱虫の菅原謙二(務先生)というのももの珍しく悪くない。

そして本命佐田啓二ですが、菅原の友人で、彼よりは現実的で世慣れている役。悪くないです。桂木洋子がとても可愛く大人で、良いコンビだった。自分のプロダクションの作品だからか、おいしい役のような気もする。佐田さんは、日本のジェラール・フィリップ、だったわけね。だけど、もうひとつ、自分のハンサム具合の利用のしかたが足りないような気がするんだけどな。そうでもないかな。自分の中での「佐田啓二って、こう」という決定打がいまだもてなくて(佐田啓二の仕事に決定打がない、のではありません)。でもこの作品は、わりと普通の人っぽくて、よかったと思います(えらそう)。
ラベル:1956年 松竹
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2018年08月11日

人間機械

インドのグジャラート州にある繊維工場に取材した映画。監督はインド人、出資などはフィンランドやドイツから。

1時間少しと長くはない映像だけど、体調準備不足により、けっこう眠気が・・ひどい観客だ、わたし。
この工場で働く人は、機械の補助をしている。大きな機械が常に動いていて、それがスムーズに動くように、機械と同じレベルで対応すべく働かされている。なので危険がいっぱい。機械の穴の中に人間が入ってなにか掻き出す、とか。労働時間も12時間。ときどき、製品の上で死んだように眠っている。仕事しながら舟をこいだり。危ない・・。あと非常に若い、ローティーンみたいな人も働いている。また、工場の外で、どうみても、化学物質たっぷりのゴミを大人が捨てて、そこの中から、金属があるぞ、お宝だぞ、手で掻き出せ、と笑いながら言ってるのがすごかった。
最後に、工場労働者が、映画スタッフに向かって、これを撮影して自分たちのために何かやってくれるのか、と詰め寄る場面がある。その場のことについて聞かれたときの監督の言葉はこちらに。 「人間機械」公式サイト

工場労働者は全員男性。しかし、交代時間だか出退勤時間だかのときに歩いている中には少し女性もいた。食堂スタッフとか?(食堂あったっけ?)経営者側の人が、まわりのいろんな洲からグジャラートへたくさんの出稼ぎが来ている、と話していた。工場で働くのは男性なら、女性は何をして働いているのかな、とちょっと思った。


監督 ラーフル・ジャイン
インド・フィンランド・ドイツ映画
ラベル:2016年
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2018年08月08日

ブリグズビー・ベア

予告編を見て、ちょっと興味もっていたが、予告編で想像していたよりずっと良い映画だった。
非常によく考えて作っていることも感じるし、主人公は犯罪被害者でもあるわけで、そんな前提にも関わらず、ここまでの内容。悪意の人がいないのもよかった。ほんとうは、悪意の人が必ずいるはずなのだけど、そうでないのも不自然に見えないように作られていたのもすごいと思う。

失った時を取り戻すべく、父が子供をつれてあちこち行く中、映画がヒットした、というのもぐっとくるし、映画内映画のラストも、相当ぐっときた。アトム・・。

メガネっこの妹ちゃん、かわいかったし、彼女の彼もかわいい子だった。冒頭の、ファナティックに相当近づきつつも手作り感のある「セット」の「セット」もすばらしかった。あのシスターズはやはりモス・・ら?(違うかもですが)

最後に再び登場の『元父』のキャスティング、私はなにせドニーさんのやつしかみてないので、ほかの多くの映画ファンと共有する感慨はないけれど、すごい大技なのはさすがによくわかるわ。それも込みで、素晴らしかった。
ラベル:2017年
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2018年08月01日

ウィンド・リバー

「インディアン」居留地で起きた事件。若い女性ほかの不審死。この事件をめぐり、自身も娘を亡くしている公務員ハンター(白人。妻は先住民)と、FBI捜査官の若い女性。雪に閉ざされた山の中の土地の、ものすごい閉塞感。でも、なにかしらに救いを描いたりしないのがよいところ、なのかな?殺された人たちはとても可哀想。

居留地というのは、今住む先住民たちがもともと住んでいた土地ではない。実際にウィンド・リバーと呼ばれる土地では、犯罪の数も多く、過去のずさんな行いによる公害被害もあるとのこと。FBI捜査官の人が有能かつ勇敢だけど、いろんな偶然で彼女はなんとか生き残った。事件の最中はともかく、のちほど、彼女の中にもいろんなことが残るだろう。でも、居留地に住む人々はもっと。

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2018年07月30日

石合戦

ラピュタ阿佐ヶ谷、独立プロ特集にて。これは劇団民芸と富士映画が製作で、日活配給?なのかしら。日活のマークが出た。監督若杉光夫。
モノクロで、大阪の池田が最寄の都会であるらしい、きれいな川や橋のある村。市町村合併、農地改革、戦争放棄の憲法、などがいろいろとぶちこまれている。こどもたちが二手に分かれて石を投げ合うのは、違う村?だから。大人がやっていることをまねして、村八分にも参加してしまう、意味はわからないながらも。
主人公のこどもが子供時代の浜田光夫で、たしかにこの人の目がくるんとしているのは特徴的で貴重ね。おかあさんが山田五十鈴。ぼんは由緒正しい神社のあととり、気いつけなあかんで、と水遊びにいく息子を心配する。おこりっぽくてすぐに人をアホや!という小沢栄の神主&ぼんの父さん。
(続く・・予定は未定)
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2018年07月29日

バトル・オブ・ザ・セクシーズ

いろいろとバッチリ…新作映画はさすがだね。でも新作でも全てこうじゃないんだろうなあ。アメリカ文化もスポーツ一般も詳しくないけど、あの試合のビリー・ジーンの登場の仕方、プロレスっぽい?あの演出好き。
(ツイートより)

セクシーズ、てsexes、でつまり複数の性のたたかい、なわけで、♪セクシー、あなたはセクシー♪とは関係ないのだけど、といって日本語題でよくある、英語の複数を表す末尾を略すとそれはそれで、ということでこうなったのでしょうね。

ビリー・ジーン・キング、キング夫人、大昔にカミングアウトの話をきいた気がするけど、その時は全然意味がわからなかったな。わたし自身も無知と偏見があったと思う。相手の男テニスプレイヤーのヌード写真もなにかで見たような気が。ビリー・ジーンの夫の人がとてもやさしくて素敵。これ、今だからこのように、「正しい」ことを描ける、というのはあると思う。でも、最後の対決で、テレビ中継の司会者(中〜老年男性)が、若い女性解説者の肩につねに手をのせてしゃべってんのが気持ち悪かった。あの試合でさえも!まだそんなことが、というのも込みでいろいろと正しく素晴らしかった。そして、ショーアップしたテニスの試合!プロってすごいわ。
そういえば、対戦相手の男テニスプレイヤーが、やたらと広告タイアップしてたのも、ある意味興味深かった。企業のえらいさんも男が多かっただろうし。あと広告を信奉する当時の(今も?)アメリカの傾向を表したりしてるのかしらん(と思うくらい広告タイアップ仕事をしてるシーンが多かった。)
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2018年07月24日

下町

三船敏郎特集@新文芸坐にて。
これはもっと早くみればよかったような、でも、としとった今の方が良さがわかるような、いやでも若いときにみてそして今もういちど見てしみじみするのがよかったな、とか。

戦後四年たったところでの下町を舞台に、夫がシベリアから帰ってこない五十鈴様と、シベリアから帰ってきたら妻がほかの男と一緒になっていた三船さんのつかの間の物語。静岡のお茶を行商する品のよい りよさん(山田五十鈴)。でもやっぱり生活にくたびれていて、生き抜いていけるだろうか、と思っている。下宿の隣人淡路恵子も、下宿のおかみも、それぞれのやり方で、女ひとり身を生きている。もちろん三船敏郎の屑鉄屋さんも。

浅草にあそびにいって、そのあとの展開もよかったなあ。だけど最後の大展開は、悲しいのでやめてほしかった・・これ、林芙美子の原作もこうなんだろうか?あまりにも通俗的に大展開すぎはしないか?と鑑賞から1週間ほどたった今ならそんなことも思うけど、実際は、演出と俳優の演技がすばらしいので、だから無問題、という感じ。

最後の思いがけないことのあと、そのときの山田五十鈴の演技もいいんだけど、こどもを使った演出もすごくよかった。
ロケと良い小道具を使う演出といい(お茶の袋がおいてあるのとか)、もうとにかくすべてがよかった。これで1時間少し。
また見る機会がありますように。


監督 千葉泰樹
原作 林芙美子
ラベル:東宝 1957年
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2018年07月07日

シェイプ・オブ・ウオーター

昨年の話題の映画をいマサラ見ました。
とても話題だったので、だいたいどんな話かわかっちゃってたのが残念ですが、良かったですよ。
「緑じゃなくて、ティール」というセリフがありましたが、まさに、大好きな青緑色がたくさん使われていて、セットもすばらしく、話は昔の話だからみなさんのファッションも好ましく、主人公が住む場所なんてもう最高。ほとんど全部セットなのかな。主人公の勤務場所のインテリアも最高。主人公ら従業員のみなさんが乗るエレベーターの横の壁がタイルだったし。「彼」のプールもタイル貼りだったよね。あと、これはセットではないと思うけど、主人公の友達その1が、作品を持っていくときに一瞬バックに映る建物も素敵だった。
裏切らない正しい種類の人とは、女性と被差別クラスタ。あの「同志」は惜しかったね。でもバターケーキを自分で焼けるってことよね。
西洋の映画をみてくると、けっこう「ゆでたまご」てものがたくさん出てくるような気がしてならない。生命の元だよね、タマゴ。
クリーチャーの声はギレルモ・デル・トロ監督自ら当ててたのね。たくさんの古い(今からみて、であり映画の中ではリアルタイムの)映画のアダプテーションもよかったわ。少し古いものを愛でる感性や良し。しかも「水」の話だから生き生きしていて、生々しく、さらに再生も描かれる。(生きるための残酷な現実も!)
あの、ドアを閉めての場面が好き。ドア閉めたって現実にはあんなふうにはならない(・・と思う。←自信もって言えない)だろうけど、あれ、楽しい。

セットや話自体の素晴らしさプラス、社会の中におけるいろいろな人間の描き方が納得できる方向であること、が混然一体となり両方必然、というふうになっているのがすごいなあと思った。
ラベル:2017年
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2018年06月02日

吶喊

岡本喜八監督。
戊辰戦争の話。會津あたりの百姓で、もう明治0年なのに侍となにかおもしろいことに憧れる青年と、薩摩の(たぶん)百姓上がりであちこちの陣営でこづかいかせぎをする、なにかおもしろいことはやっぱり好きでありそうな青年を軸に描かれる。岡本監督は、基本、戦争反対の気持ちがみてとれるので、つい油断・安心してみてしまう。それで裏切られることは今のところはないけれど。薩長が勝ちいくさに乗じて、負け軍に対して狼藉を働くの図をはっきり見せるなど、スタンスが安心できる。それでも冷静、かつユーモアを失わないところが良いですね。これ、ATG映画だった。プロデュースを、薩摩青年役の岡田裕介がしている。だから彼も狼藉を働きそうになるところで、薙刀隊が出てきたのかとも思うけど、そうじゃなくてもきっとそうしただろうな。そういうところも好きなところ。
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2018年05月26日

Raazi

アーリヤ―・バットとヴィッキー・コウシャルという、今個人的にお気に入りの若手俳優がカップルになるという、私的に楽しい映画。ですが、話はアーリヤーちゃんが、インドのスパイとして、パキスタンへ嫁にいく、という、スリリングなもの。アーリヤ―ちゃんは期待通りがんばってくれたし、ヴィッキーも素敵だった。足りない点は、あえていうなら、スパイであることによる葛藤、かな。いや、葛藤はあるのだが、そもそも、なぜスパイになったのかという前提の話が、かなりシンプル。まあしかし、これはこれで、割り切ってるとも言える・・けど・・。比べるのはナンセンスなんだけど、つい、「レッド・スパロー」を思い出してしまった。これはインドパキスタン戦争の初期の頃の話なので、ある程度、しかたない、のかな。でもそれを除けば、いろいろスリリングでおもしろかった。

イオンシネマ妙典にて(Space Box上映会、英語字幕)

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2018年05月20日

29歳問題 (29+1)

香港で初回みて、こんどは2度目。2度目の鑑賞って、いちばんたっぷり作品を味わえる気がする。味わったおかげで、かなり最初の方からいろいろぐっときていたのでした。
どーでもいいことなのですが、エレイン・ジン(女社長)って、映画の中でもエレインて名前でしたね。ほんとにまったく、ザ・貫禄の金燕玲様。彼女がクリスティに話をするシーン、好きです。
この映画は2005年の設定になっており、つまり、この時約30歳ということは、返還のときにすでに20歳すぎだったわけですね、クリスティーとティンロは。そんな時代背景も興味深い。

恵比寿ガーデンシネマにて。

ラベル:2017年
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2018年05月13日

黄金花、一念無明、幸運是我

ひさしぶりにログインしたら、記事を書く画面が変わっていた。きっと改善されているのではないかと思われ・・ます。

《黄金花》。香港電影金像奨で毛舜筠が主演女優賞、凌文龍が新人賞を獲り、香港滞在中にリバイバル上映されていたおかげで、映画館で見られた。自閉症の息子を持つテレサ・モウとレイ・ロイの夫妻、夫が困った性癖(元から。息子が産まれる前から)をもっていたりして、困難にぶち当たるけれど・・という話。テレサは人気のすてきな女優さん、どちらかといえばコメディっぽいイメージ。その彼女がつねに口を一文字に結んで耐えていく姿、発作をおこしたり機嫌が悪くないときにはとても可愛らしい息子の姿が印象的。いちどは壊れた家族関係も最後は修復される。香港といえば、もとから家族を大切に、という価値観が強い社会(映画および、わずかに聞こえる実際の人々の様子からはそういう印象)だし、俳優の名演、演出の良さ(私個人的に好きなのは、水がこぼれて逆回しして凌文龍くんの天使のようなアップがあるあのシーン)などもあり、よい映画だとおもいます。

《一念無明》も昨年金像奨で新人監督賞を獲った作品。これは大阪アジアン映画祭でみることができた。これも、息子が精神的な病を得て家族が壊れかかるけど最後にはもういちど手を携えていこう、とする映画。《黄金花》同様、かなりヘビーな描写が続き、息子を演じるショーンも、久々に超シリアスな役であったろう。おとうさんはエリック・ツァン、おかあさんはエレイン・ジン。ショーンだけ賞がとれなかったんですけど・・。というのはともかく、ショーンもよかったですよ。私が好きなのは、ご近所に住むこどもとの交流ね。一瞬希望が。というかこどもがかわいい。大きくなってあのお兄さんのこと、どのように思い出してくれるかな。などど思わずにいられなかった。

そして《幸運是我》。これは、おととし機内で見て、その次、香港に行ったときに、電影中心で、たしかBCサンデー(日曜日に一回だけ、名画座的に過去の作品を上映する)でみることもできたのだった。なんて幸運な!機内で見て、とても気に入っていたのでうれしかった。
《幸運是我》も、大阪アジアンにリクエストしたけど残念ながら上映はされなかった。これも、家族が壊れている、というか、家族を失った青年の物語、そして彼が出会うのは、家族のいない、彼の母親くらいの年の女性。青年はカルロス・チャン陳家樂、女性はカラ・ワイ恵英紅。金像奨のことばっかりいいますが、この作品でカラ・ワイ様が女優賞。新人監督賞もノミネートされていたけど、獲ったのは上記の《一念無明》の黄進。でも私の中の作品賞は、この作品に渡したい。カルロス演じる阿旭(アキラ!w)は、必ずしも良い子ちゃんじゃない。ちょっとすさんで他人を利用しようとしたりもしている。だけど、彼を助けるのは、結局は他人であるいろいろな人々。カラ・ワイさん演じる女性もそのひとり。でも彼女も、阿旭に助けられるしお互い様。身寄りなく年取っていく女性、というと身につまされるし、実際はカルロスみたいな子があらわれるわけもないんだけど、ふたりの様子をみると暖かい気持ちになる。なおかつ、ふたり以外のいろんな人々すべてにも幸あれ、な監督の演出がとても好き。

《黄金花》で、息子がパニックをおこして暴れる場面、すぐに彼が握り締める用のトイレットペーパーの芯(だと思う)を用意する母、身体ごとで息子を抑える父、そういうことは、実際に起きていることなのだと思うのだけど、これ、父が年取ったらだんだん困難になるだろう、というのも思わずにいられない。また、《一念無明》のようなケースでも、家族(たったふたりきり)だけでずっとやっていくのは非常にしんどいであろうなあと想像する。自分たち家族内でどこまで向き合う、そこからだ、というのがこの2作品。
《幸運是我》は、それらとは違った発想の作品なのだと思う。ある意味、いちばん夢物語かもしれない。でも、そこが良いところで、好きなところなのです。

Yahoo電影のリンク
黄金花 Tomorrow is another day
一念無明 Mad World
幸運是我 Happiness

メモ。
《黄金花》にはボニー・シンが出演している。彼女背が高いのね。テレサ一家と同じ団地に単身で住んでいる設定。若い子ひとりでも住めるんだ!と思ったのだけど、彼女の職業は看護士。だからなのかしら。給料がある程度良い?良すぎない程度に?単身用と家族用は間取りとか違うのかな。同じ団地に両方あるのかな・・とそんなことが気になった。
《幸運是我》は、西営盤や柴湾工業ビルの食堂でロケ。深水埗の今はどんどん変わっている耀東街あたりでもロケをしている。西九龍中心でも!《一念無明》も深水埗。

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2018年05月04日

ジュマンジ

最近は、新作映画もできるだけ見に行くようにしています。
ハリウッド娯楽映画、シネコン、主役ロック様という方、とまあ、アウエーざんまいなジャンルでしたけど、とてもよかったです。
高校生がゲームの世界にテレポート?されてしまう話。最後は戻ってくるのですが、そのときの、ベタニーという、ジュマンジ世界に行くまえには自撮りに夢中だった女の子、彼女の、ある人の言葉をきいての笑顔が忘れられません。感動しました。
あと、個人的におもしろかったのが、時制がナルニア式だったこと。
ゲーム世界はいかにもゲームらしい規則で動いていて、役柄設定されている人物に、現実世界と同じように話かけても全然通じないのとか、おもしろかった。そういうところも、ちょっとナルニア式ね、うん。

たしかトーホーシネマズ日比谷にて。
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